【執筆】JTFジャーナル 2016年5/6月号

2016年5月16日

JTFジャーナル に寄稿させていただきました。2016年5月・6月号をPDFでダウンロード できます。

私は、「翻訳者のためのWord再入門」というコーナーを2年間にわたり担当させていただきます。Wordの基本設定から始まり、文字入力における効率化 や[検索と置換]ダイアログボックスの使い方など、テーマに沿って書きます。私自身、ブログやセミナーで紹介してきたことを整理して提供する場にしたいと 思っています。このような機会をいただきましてありがとうございます。

まずは、一度お読みください。翻訳業界の異なる立場の方々がそれぞれのテーマで執筆されています。テーマには、翻訳品質(翻訳者、翻訳会社、ISO、辞書)、翻訳テクノロジー(翻訳支援ツール、機械翻訳)など多岐にわたり、興味深いものばかりです。

私が最近受講したあるビジネスセミナーで、物事の説明・定義をするときには少なくとも3つの視点で説明するとわかりやすい、ということを習いました。3つの視点があると説明が立体的になるというのです。

今回のJTFジャーナルの企画の面白いところは、1つの切り口で整理したときに3つではなく4つも5つも視点があるということです。たとえば、翻訳テクノ ロジーでは、機械翻訳ツールの開発者目線、翻訳メモリソフトのベンダー目線、ツール利用者目線(翻訳者)、学者目線の少なくとも4つが見えます。翻訳品質 に関しても、翻訳者目線、翻訳会社目線、ISO規格関係者目線、ツール開発者目線などいくつも視点が見えます。

おそらく執筆者が別の連載記事を読みある程度の影響を受けつつ記事を書くことになると思いますので(私は影響されやすいのでたぶんそうなると思います (笑))、ここで生まれる化学反応も楽しみです。私は今回のJTFジャーナルを読んで、説明や議論のしかたのヒントをいくつももらいました。

たとえば、「翻訳品質」と一言で言うときに、誰に対するどの観点での品質か共通の認識で会話できるともう少し踏み込んだ議論ができるように思います。ま た、ツール導入に際して、長期的な視点でのツールの効果を説明することが重要だなと思いました。これは私にとっての気づきです。読まれる方によって、得ら れる気づきは違うのだと思います。

これを2年間読み続ければさらに時間軸が加わりますから、業界のトレンドがより立体的に見えてくるのではないかと楽しみです。翻訳イベントや勉強会に出ないと手に入らなかったようなヒントが得られると思います。

こういう試みは面白いと思いですね。さらにビジネス的な観点から業界を見えるようにするために、視点にもう少し多様性があると面白いかもと思いました。た とえば、翻訳業界のステークホルダーにはまだたくさんの方々がいます。「翻訳学校」の経営者、日本語・英語以外の言語の翻訳者、日本在住の外国人翻訳者、 翻訳書籍・雑誌出版の編集者、ソースクライアント(複数の業界で)などです。この方々の意見が見えると、別の業界像が浮き上がってくるような気がします。

今回のJTFジャーナルは、様々なステークホルダーの立場に立って業界の流れを考えるきっかけになりました。普段から業界情報をあまり丁寧にフォローして いなかったので(汗)、これを機会にJTFジャーナルを情報源にしたいと思います。また、執筆に際して、業界の様々な方を今まで以上に意識しつつWord に関するおいしい情報を提供できたらいいなと思います。

2年間よろしくお願いいたします!

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