【書籍紹介】プログラマー現役続行

2010年4月22日

「35歳プログラマー限界説」って言葉があるそうです。

私がプログラミングを学び始めたのは33歳で、今2年がたって私は35歳になりました。

おそらく、「35歳プログラマー限界説」というのはプロでプログラマーをやっている方々に対する説なので私には当てはまらないですよねー。わかっております。

私の立場は全くちがうので「限界説」は全く信じていないというか、論じる資格がないというか。

 

で、私の立場からは、むしろ逆に、私は今の年からプログラミングを学び始めるのは、いいことだとと思っています。

私は、「社会人として仕事の進め方のこつを覚えて、かつ、俯瞰的に社内の業務を眺めることができるような私たちの世代」が、プログラミングを習うって非常に意味があることだと思っています。

また、新しいことを学ぶ力・習慣が薄れがちなこの年代で、楽しみながら仕事や会社や社会に貢献できることを習ってみるって、いいチャレンジだと思うんですよね。

 

プログラミングをすることで、論理的思考を訓練したり、自分の仕事に付加価値をつけたり、社内の業務改善に貢献していくってすてきなことだと思って人にすすめています。

VBAはいいですよ。解説書もかなり出ていてわかりやすい。

なんとなく動きますし、効果も実感しやすいので、そこに喜びが見いだせます。

 

でも、、、、、

 

最近は、つぎはぎの知識ばかりでとりあえず動くプログラムばかりを作っている気がして、幹がないような気がしていました。

「プログラミング道」的な、自分の力を磨く方法のアドバイスを渇望していた時期にこの本に出会い、いい刺激をもらいました。

プログラマーとして必要な能力

プログラマーとして必要な能力をいくつか書かれていたのですが、以下の7つが紹介されていました。

  • 論理思考力
  • 読みやすいコードを書く力
  • 継続学習力
  • コンピュータサイエンスの基礎力
  • 朝型力
  • コミュニケーション力
  • 英語力

これ、特許技術者としても非常に必要とされている力、あと、ビジネスマン全般に必要な力かもしれないですね。

 

職場の尊敬する先輩・同僚の仕事力そのものじゃないですか。

とうぜん、「読みやすいコードを書く力」というのは、「読みやすい『文章』を書く力」と読みかえるんですが。

 

「コンピュータサイエンスの基礎力」は、「ご自身の専門分野の基礎力」のことですよね。

 

この本には、それぞれの項目について、具体的に著者が何にとりくんできたのかが説明されてあり、非常に参考になります。

グループで、コードレビューをする方法

私が一番おもしろいなと思ったこと、また、特許事務所の特許技術者・特許翻訳者の能力向上に使えるなと思ったことは、「グループで、コードレビューをする方法」です。「初級者」が書いたコード(プログラム文)を、「中級者」、「上級者」の少なくとも3者でレビュー(内容確認)をするという方法。

私がよい例ですが、「初級者が書いたコード」っていうのは初級者本人の限られた知識の中での思い込みで書かれていることってありますね。

この想定されている使用環境で使われる限りは大丈夫だと確信して、エラー対応のコードを書くんですが、実際には私が想定できる使用環境なんて、たかがしれていますね。

なので、私が書いたコードには穴がある。

でも、一人でやっていても気がつけない。

自分は「これこれこういうつもり」で書いているわけだから。

 

これは、翻訳もそうだし、特許技術者の書く文章もそうだし、ビジネス文書でもそうだし、結局、どんなところでも同じことが起こりますね。

で、柴田芳樹さんが提唱しているコードレビューは、

①初級者が書いたコード(プログラム文)を、中級者が読んで、その内容を説明する。

 

②で、中級者が読んでいるものを、となりで初級者が聞いているわけです。

自分が「○○のつもり」で書いたコードを他人がどう読むのか客観視するんです。

で、中級者ができるかぎりその間違いや、想定の違いを指摘してその場で修正していく。

 

③上級者は、その中級者が修正する様を確認するんです。

上級者は中級者の育成をする立場にありますから、中級者の思考が正しい順序・観点で行われているのか見るんですね。

時には、上級者が中級者に助言をしたりするんだそうです。

 

これ、すごく面白いなと思いました。

うちの事務所でも応用がきくなと思いました。

 

技術翻訳ってまず原文を正確に読み込む「国語力」や、その分野の「技術の理解力」と、その読み取った理解をほかの言語に移し替える「表現力」みたいなものが必要じゃないですか。

だから、その段階のどこかで間違えるとアウトプットされる翻訳文は間違いが含まれてしまうわけですよね。

さらに、クレームを書いたりするときには、その言葉が持つ裁判での判例の解釈などの知識も必要になってきたり、総合力が必要になりますよね。

少なくとも、クレームの翻訳で、こういうグループのレビューができると、非常に面白いなと思います。

時間がかかりますけどね。

 

機会をもうけてどっかで試したいな。と思っています。

あと、本書で紹介されていた本を購入してみましたが、非常によいものがありました。

いつかレビュー書きたいと思います。

 

なんだかやたらと話が飛びましたが、伝えたいことは、

35歳からのプログラミングってなかなかすてきな趣味ですよ

ということと

『プログラマー現役続行』に紹介されているのスキルの磨き方は、特許事務所でも使えそうだ

ということです。

コメント

  • 2. Re:ありがとうございます
    柴田芳樹さん

    コメントをどうもありがとうございます。

    はい、プログラミングを楽しみながら、学習をこつこつと続けていきたいと思います。

    本書でご紹介いただいている「プログラミング作法」ですが、これもいい本ですね。

    私には少し難しい部分がありますが(なにしろ、C言語などの例文があるので読めない。。。)、プログラミングの考え方を知るには、非常に刺激的で面白いですね。

    この本も少しずつ少しずつ読んでいます。また、このブログでレビューさせていただきます。

  • 1. ありがとうございます
    拙著を読んでくださり、ありがとうございます。
    プログラミングやソフトウェア開発で熟達するというのは、「長い道のり」です。30代から始めたとしても、きちんと歩み続ければ、スキルは上がっていくと思います。それと、プログラミングそのものを楽しむことですね。
    柴田芳樹

-書籍紹介
-, ,