隠していたわけではないのですが、紹介するタイミングを逸しておりました。
日本語のWordマクロ本ってまだまだあったのです。
先日、九州大学の大学院で特別講義 をさせていただきましたが、そのときにお世話になった上山あゆみ先生の著書です。
実は、これ、Wordマクロ集でもあるのです。
書籍で紹介されているWordマクロをダウンロードして使うことができます。
私がブログで紹介しているマクロは、かなり翻訳者向けです。
つまり、1から文章を書く必要がない人向け。
または、書類の書式は自分で設定する必要がない人向け(特に、上書き翻訳をする方は、書式の設定の手間は省けますよね)。
今日紹介するこの書籍では、自分で文章を作成して、自分で本文中の情報を参照したり、図を描いたり、行数を変更したり、スタイルを設定したりする人向けの内容になっています。
先日、「インストラクターのネタ帳 」管理人の伊藤潔人さん(Microsoft Excel MVP)と一緒に ExcelマクロユーザーのためのWordマクロ入門セミナー をさせていただいたときに、テンプレートの用い方やスタイルの話を少しだけさせていただきました。
私も、翻訳者として少しテンプレートやスタイルを用いているにすぎません。
この本では、スタイルを徹底活用して、論文作成の効率化を図る手法が紹介されています。
副題は、「文書も頭も構造化する」です。
上山先生が序章で書かれていることがあります。
Wordは、うまく使えば、単に「清書のための道具」ではなく、自分の考えをまと める助けをしてくれる「思考のための道具」としても利用できるものです。実は、そのための方法は、「再利用」のための無駄をなるべく省く方法と関連してい るので、以下では、この2つの目的をなるべく効率よく実現するための方法を紹介したいと思います。
ここでいう「再利用」とは、たとえば繰り返し使う内容のこと。部分的に抜き出してしまったのでわかりにくくなってしまいましたが、この引用箇所の前に、「再利用」の意味が説明されています。
Wordマクロを作る視点や、研究者の思考方法についても、ヒントが得られる非常にうれしい本です。
自分と違う業界で、Wordを徹底的に活用されている方々の知恵をいただくのは楽しいですね。
この手の書籍に共通していえることですが、すべてを理解して使おうとしないことですね。
この本は、上山先生の長年の経験に基づくアイディアにあふれています。
私たち翻訳者には関係のない情報もありますが、使える情報も入っています。
これを取捨選択するのは私たち読者の役目ですね。
ご一読ください。