「【書籍紹介】新 翻訳力を鍛える本」のムックでいくつかの書籍を紹介しました。そのうちの1冊です。
「【書籍紹介】新 翻訳力を鍛える本」では、「ミスを防ぐためのツール使いこなし術」の参考図書として本書を紹介しました。しかし、翻訳ミスを減らすためだけではなく生活や仕事全般におけるヒントがこの書籍につまっていると思います。
この本は、やりたいことがたくさんあっていつも気になってしまう方や集中力が維持できないと感じている方にお勧めです。
この本を読むと、自分の集中力が続かないことを嘆くのではなく、その性格を受け入れた上でどうすればよいのか道筋が見えると思います。
できない自分を責め続けてきた方にとってはかなり優しい切り口ですし、提案されている具体的な手法も試しやすいものが多いので、参考になることがあると思います。
<目次>
「真実らしさ」の罠
P.33に成功を妨げる嘘として以下の6項目が挙げられています。
- すべてのことは等しく重要
- マルチタスクは効率的
- 規則正しい生活が必要
- 意志の力は常に万全
- バランスの取れた生活が肝心
- 大きいことは悪いこと
本書籍の第1章でそれぞれの項目について詳しく説明が書かれており、私たちの思い込みを見直すことから始めます。気になる項目があればぜひ書籍で内容を確認していただきたく思います。
「規則正しい生活が必要」の項目については、「規則正しい生活が不要」と言っているわけではありません。常に規則正しい生活をする必要はなく、よい習慣を身につけることを推奨しています。
自分の傾向を知り対策を練る
私はマルチタスクができないのですが、注意力散漫という傾向がありまして、これが困ったことだと思っていました。なので、仕事に集中するときにはメールを閉じたりして、できるかぎり目の前のことに集中できるように環境から整えるように意識しています。
この書籍には、「気が散るのは自然なことだ(P.57)」や「マルチタスクをこなそうとすると大きな損失を招く(P.58)」のような考え方が紹介されています。このような考え方を知れば、今の自分の状態(傾向)をうまく受け入れて、対策を練りやすいと思うのです。
できないことをできるように努力してやりきるのではなく、できないことはできないと割り切ってほかのやり方を探した方が心にはいいかなと思います。
バランスが崩れた状態も肯定する
P.79~P.89にかけて、「バランスの取れた生活が肝心」の嘘を解説しています。
生活をしていたら仕事と私生活とでバランスを欠くこともあるがその状態が普通であること、さらに行きすぎた状態であれば優先順位に基づいて修正する必要があるが、バランスがとれた生活自体は目的ではないということが紹介されています。
これは意識をせずに仕事と私生活のバランスを取れる方にとっては当たり前のことかも知れません。私は1つの観念にとらわれやすいこともあって、こういう考え方を知ると身体がリラックスしていい気分になれます(笑)。
「こうすべき」にがんじがらめにならないように
常に新しいノウハウを試したくなって疲れてしまう方や、世の中の「こうすべき」に縛られてしまって疲れている方にとって優しい1冊だと思います。
第1章で考え方が提示されて、第2章と第3章で具体的な方法が提示されています。自分に問いかけるとよい質問も紹介されています。
この書籍に出会ったのは2015年くらいだと思うのですが、その頃から仕事の方向制を意図的に絞るようにしてきました。仕事も私生活も拡散しがちで「すべてのことで合格点を出さなきゃ、、」と思い疲れてしまうことが多いので、この書籍で紹介されていることを参考にしています。