WordのバージョンやWindowsのバージョンによりマクロやアドインの実行速度が異なることをご存じでしたか?
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最新版のWindowsとOfficeを揃えたのに動作が遅い!?
Wordで動く翻訳チェックソフト「色deチェック」を長らくご利用いただいている方はすでにご存じのことかもしれません。パソコンを買い替えて、メモリをたくさん積んで最新のWindowsとWordで色deチェックを動かしたときのがっかり感(笑)を覚えているのではないでしょうか。
そうなんです。WindowsもWordも新しいバージョンになるにつれて、マクロやアドインの動作が遅くなる場合があるのです。
色deチェックの処理速度の差
同じファイルに対して同じ項目をチェック対象に設定して、色deチェックの処理速度を比較したことがあります。
その当時、同じパソコンに複数のバージョンのWordをインストールしていました。これならばまったく同じ環境でWordのバージョンの違いだけを比較できます。
このときの処理時間は、大雑把にWord 2003を1分とすると、Word 2010は2分、Word 2013は4分となりました。バージョンが上がると処理時間が倍になるような結果でした。
Word 2013以降も新しいバージョンになるほど処理が遅くなると感じますが、それ以前のバージョンほどの顕著な差は出ていないと思います。
描画処理が原因の一つ
これは一般的に描画処理に変化があるためと聞いたことがあります。
たとえば、カーソルがぬるっと動く感じに最初は違和感がありませんでしたか?タイピングアニメーションと呼ばれる挙動です。
(参考)【Word】タイピングアニメーションの解除方法(Word 2013以降)
このように、「見た目」に関する処理方法が少しずつ進化しています。このようなユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させる動きは、ソフトウェア開発でよく見られます。
この挙動にも描画処理のエネルギーが使われており、Wordの処理速度に関係しています。
これ以外にも、Wordのバージョンを上げたら[検索と置換]ダイアログボックスを使った検索や置換の処理がゆっくりになったという経験があると思います。特に、数百ページのファイルを扱う場合に実感します。数百の画像が貼り付けられたマニュアルの場合、画面のスクロールだけでももたつくと感じるかもしれません。
このように基本性能が落ちるわけですから、アドインの動きにも当然ながら影響が出るというわけです。
描画処理以外にも色deチェックの処理速度の変化の要因があるかもしれませんが、正確な理由はわかりません。
色deチェックの場合、文字列処理や検索処理、置換処理、文字書式の設定、スタイルの設定、コメントの挿入、蛍光ペンの着色、表の処理など様々な要因があるので、そのようなことも関連して処理速度の違いになっている思います。
Windowsのバージョンの違いも関連
Windowsは新しいバージョンにすると多くのメモリを必要とします。描画処理など通常動作で複雑な処理をしているのでしょう。新しいパソコンに大きなメモリを積んだのに処理速度がそれほど向上しないのは、これが理由だと思います。
Windows XPにWord 2003を搭載した古いノートパソコンとWindows 8とWord 2013のデスクトップパソコンとで、色deチェックの処理速度を比較したことがあります。
古いノートパソコンのほうが速かったことを覚えています。
まとめ
マクロの処理内容により処理速度が変わると思いますが、Wordのバージョンが上がると一般的に処理が遅くなると思ってよいと思います。