東京で、11月9日(水)から11日(金)にかけて特許・情報フェア&コンファレンス2016が開催されました。
私は最終日の11日(金)に参加してきました。小雨が降って肌寒い日でしたが盛況でした。主催者の報告によると当日は7,909名が来場したとのことです。
2つのソフト/サービスが便利そうだなと感じましたので紹介します。
<目次>
特許ストーリー(チェッカー版 ライトG)
図面内の符号と本文内の符号名称の整合性をチェックするためのソフトです。
明細書作成支援ソフト「特許ストーリー」の機能の一部を単品販売している製品です。デモを見せていただきまして、使い勝手がよさそうだと感じました。
なにしろ、本文の符号をクリックしたときに図面の対応箇所へジャンプできるところがいいですね。さらに、符号名称を色分けして表示しているので確認しやすいと思います。
私も、図面番号を目立つようにしたり、明細書を読むときには工夫をしています。
ちょっとした工夫で、情報が頭に入りやすくなりますし急いで読む場合の誤読のリスクを減らせます。
その点で、この符号のチェック機能は私たち翻訳者にとって、速読支援の機能として便利ではないかと思いました。
知財ラボ 明細書チェックツール
日本語・英語の特許明細書のチェックをオンラインで行うツールです。無料版あり。
試しに公開済みの明細書をコピペして結果を見てみましたが、
- 符号表の作成
- 符号の重複使用の確認
- クレームツリーの作成
- クレームの従属における発明カテゴリのチェック
など瞬時にチェックできます。これが無料で使えます。
翻訳対象の明細書の内容確認や訳文の確認にも活用できると思います。
「未公開の特許をオンラインでチェックしてもいいの?」という質問を担当者に問いかけたところ、有料版ではセキュリティを強化しているので大丈夫とのことでした。
すでに導入している特許事務所もあるとのことで、このあたりはセキュリティをどう解釈するかの問題だけかも知れません。私はこの手のセキュリティについてはあまり詳しくないので、まだ判断できません。
私の周りではオンラインサービスを活用するのを躊躇している特許事務所が多いため、特許業界はまだ保守的な業界だと感じておりました。
今後は徐々にこのようなオンラインサービスも使われていくのかもしれません。活用できるサービスを積極的に使っていくことで、業務の効率化や品質の向上に役立てられそうです。