1月に開始した以下の3回連続講座が終わりました。
受講をいただいたみなさま、どうもありがとうございました。
実は3回の講義は終わったのですが、あと2回の動画配信を予定しております。セミナー期間中にいただいた質問への回答がまだ終わっていないので、質問を受け付ける期間が終了するまでに2回の動画配信を予定しています。
予想以上に情報量が多くなってしまいましたが、余裕のある受講生の方はもう少しお付き合いください。
<目次>
講座の私の感想
今回の3回連続講座では講義後に宿題に取り組んでいただきました。みなさんに熱心に回答をいただいたおかげで、受講生全員で多くを学べたと思います。
毎回10問程度を出しまして、その回答の添削をいたしました。いろいろな考え方や間違え方があり、それを受講生全員にシェアをしました。
受講生からはほかの人の回答から学べたという声が多かったので、いい試みだったと思います。
でも、宿題はかなり難しかったですよね。最初は簡単な問題ばかりを出そうと思っていたのですが、受講生の方にワイルドカードをかなり熟知している方がいるとわかりまして、その方々にも楽しめるように難しい問題も織り交ぜました。
私がたまたま知ったワイルドカードの使い方を紹介するための問題題も含まれていて、かなり大変でしたよね。失礼しました(笑)。
それでも、「こんな使い方がある!」ということを知っておくだけでもいつか戻ってこれるので、よいのではないかと思います。
今回の3回の講義だけですべてを理解して自由自在ということはないと思いますが、少なくとも考えるためのヒントは得られたのではないかと思います。
また、私が使っている上書き翻訳用の置換のサンプルも差し上げたので、こういう具体例をもとに少しずつ研究をして実務で使ってみてください!
「置換後の文字列に^13を使っても不具合が出ない(らしい)」ことの発見
この講義のデモで、Wordの変化を発見しました。
ワイルドカードで段落記号を扱う場合には、検索する文字列では^13、置換後の文字列では^pというルールがあります。
置換後の文字列に^13を設定して置換をしてしまうと、置換された箇所の段落の属性がなくなってしまうため、段落書式が解除されてしまったり、見た目は段落として分かれているのに書式を設定すると同じ段落として扱われてしまったりと不具合が起こることが知られています。
ところが、Word 365では、置換後の文字列に^13を使ってもこれまで^pとしていたときと同じ挙動になるのです。つまり、段落が保持されているのです。
この変化は、文書自体には悪影響がないし、むしろ、間違って^13で置換をしてしまっても今までの悪影響が出ないのでよい影響ともいえると思います。
ただ、これまでのワイルドカードのルールと一貫性がないし文書化された変更点ではないようなので、何らかのバグじゃないかと疑っています(笑)。
というわけで、講義では「置換後の文字列には^pを使う」というこれまでのルールを説明しておきました。
受講生の声
以下、許可をいただきました受講生のコメントです。
宿題がきつかった半面、宿題がなかったらここまで本気で勉強していなかっただろうと思うので、よかった。
説明がときどきわかりにくいことがあった。しかし、後から動画等でサポートしてくれたのでよかった。
普段の仕事ではTrados等を使う物がほとんで、Wordで納品する仕事はあまりないので、活用の機会は限られている(そのためにせっかく学んだことを忘れてしまいそうで心配である)が、とにかく当初の目的は達成できたので満足している。
(技術翻訳者 女性 RA様)
最後の方は難しくて理解できないところがありましたが、ワイルドカードの基本的な考え方を何度も丁寧に説明いただいたので、分かりやすかったです。理解度の確認を課題でできてよかったです。理解したことを実際に使えるようになるにはもっと練習が必要だと分かりました。受講後は一定の期間、講義動画を何度も見ることができるのが大変ありがたいです。聞き逃した部分を確認したり、理解できなかったところを再確認して理解できるようになりました。
(特許翻訳者・チェッカー 40代女性 M様)
本当に良かったです。受講後の自分が別人になった気分です。すべてを吸収しきれた訳ではないですが、考え方を学べたことが一番大きかったです。自分の目指す処理を整理してから、何度かのステップに分けて処理すれば、大きなファイルも対応できそうです。
質の高い情報をいただき、ありがとうございました。
(法務翻訳者 40代女性 SH様)
講座内容をどのように実務に活かせるかをイメージしやすかったです。また、時間をかけて宿題に取り組むことで、受講内容の定着に大いに役立ちました。宿題は難しかったですが‥。
大変有意義な講座でした。どうもありがとうございました。今後の実務に役立たせていただきます。
(特許翻訳者 40代女性 YT様)
ワイルドカードは全くの初心者でしたが、先生の説明がわかりやすく、特に、宿題の解答・解説が素晴らしく、「なるほどなるほど」と納得しながら聴講でき、非常によく理解できました。まだ「抽象的にとらえる」や「~以外」で定義することなどは十分にはできませんが、今後の実務の中で意識してやっていこうと思います。
(特許翻訳者 70代男性 EO様)
宿題と講義の組み合わせは、とても良かったです。3回に分けた事で、宿題の回答を通じて、ワイルドカードの理解を深めることが出来ました。誠に有難うございました。
(小森 実 様 社内特許翻訳者 50代男性)
たいへん勉強になりました。講義を聴くのも、課題に取り組むのも、他の方の案を見るのも、面白かったです。
翻訳作業のフローのどこにどのように利用していくか考え中です。支援ソフトに入れる前のワードの状態での前処理、完成して修正する際の一括修正などに利用できると考えています。まだ試すところまでいっていません。
(自営業(特許文書翻訳)50代女性、H.S.様)
思い切って参加してよかったです。ありがとうございました。課題は難しかったけれど、試行錯誤するのは楽しかったです。毎回丁寧に説明していただけて、先生の模範解答や皆さんの回答例でいろいろな考え方があるのを知ることができてとても勉強になりました。自分ではよく考えたつもりでも抜けがあるのは残念でしたが、「惜しい!」とか「発想はよかった」とかのコメントに励まされてなんとか頑張れました。それにしても、ワイルドカードをもっと早く知っていればよかった。。。ずいぶん時間を無駄にしたと思いました。3回受講しただけなので、まだ十分に理解できてないですが、日々のチェックや上書き翻訳に使ってみています。
ワイルドカードについてもっと知りたいです。特に定義の仕方、発想がまだまだだなぁと感じますので、続編の講座が開催されるなら参加したいです。よろしくお願いします。
(特許翻訳者 様 60代女性)
ワイルドカードの仕組みや実際に使える検索式などがわかり、とてもよかったです。自分なりにまだ消化できていないところはありますが、いただいた資料などを読み返していきたいと思います。
(翻訳者 40代男性 FA様)
マクロとかアドインとか開発してるものの、wordそのもの使いこなせてない。法律事務所なので、wordの使用率は半端ないです。検索して、置換、蛍光ペン、図の削除の履歴残すなどなどどうしたらいいのか、という悩みがあり受講しました。
受講した感想:すごい。早速特許の作業でアドイン化で使います。
(SE 50代 女性 kin様)
ワイルドカードの面白さ、奥深さを体感できました。3回の講義に加えて毎回の宿題なんて、ついて行けるだろうかと不安でしたが、実際は面白くてどんどん解いてみたくなりました。
普段は特許の日英翻訳をしています。これまでは、段落番号を全角から半角にして、前後のスペースを消去して、改行をタブにして…というような作業をチマチマ手作業でやっていました。それも嫌いではなかったのですが(笑)、たまに段落数の多い案件が来るとかなりの手間がかかっていました。それを自分なりにワイルドカードの検索式を使って半自動化でき、作業時間が大幅短縮されました。検索式を試行錯誤する過程も楽しかったです。
講義の内容がとても濃かったので、全部消化するにはまだかかりそうですが、これから日々の仕事に活かしながら、自分のものにしていきたいと思います。
ありがとうございました。
(特許翻訳者 30代女性 YS様)