3月に奈良で開催される日本翻訳者協会(JAT)のセミナーに登壇いたします。
このイベントは、6月末に大阪で開催されるIJET-29大阪を盛り上げるためのプレイベントです。
お近くのみなさまぜひお越しください。
<目次>
概要
日時:2018年3月10日(土)13:30~16:30 (開場13:00)
場所:奈良商工会議所 中ホール
定員:45名
2部構成のセミナーの前半に担当します。
交流会は17時~19時です。
詳細はこちらをどうぞ。
内容
タイトル:ミスを防ぐためのツール使いこなし術 ~苦手なことを克服するためのコツ~
イカロス出版の「新翻訳力を鍛える本」に寄稿した「ミスを防ぐためのツール使いこなし術」の内容を具体的に紹介します。
翻訳におけるミスは、それぞれの翻訳者の特性(特に、苦手とすること)が原因になっていると思います。
ものぐさ、時間管理が苦手、注意力散漫などの傾向がある場合、適切なツールを用いて気楽に向き合う方が精神衛生面からも生産性の面からもよいと思います。
このようなわけで、翻訳者の性格・特性により役に立つツールは異なると思っています。要するに、「他の人が使っているから・・・」はツール導入の理由にはならないのです。
そこで、私が自分の性格をどのように理解し、自分の性格を考慮してツールをどう使うのかを紹介します。
また、翻訳用の「業務リスト」の具体的な内容や管理方法も紹介します。私の性格や翻訳分野にあった内容ではありますが、他分野の翻訳のセミナーで得たヒントをもとに改良もしてきました。
ツール選びのヒントにしていただけたらと思います。
補足
イカロス出版の「新翻訳力を鍛える本」の原稿に取り組んだときに、編集者さんと何度か意見交換をさせていただき内容を決めました。
実は、最初に書いた原稿のほとんどをボツにして新たに書き直しました。
私が最初に書いたのは、翻訳者の性格や特性によってアプローチが異なるので、自分の特性を理解するところから始めるということでした。ツールを紹介するというよりは、ツールを選ぶための心構えのような内容でした。また、「業務リスト(翻訳手順書)」の使い方や管理方法を細かく説明していました。
この感じだと、「じゃあ、どのツールがいいの?」ということになるので、業界で使われているツール(私が使っていないものも含む)を列挙しました。さらに、編集者さんからの要望で、私が使っているツールも紹介するという内容にしました。
そういうわけで、今回のセミナーではもともと私が書いた内容も紹介しようと思います。
そもそも、私がツールを列挙することに躊躇したのにはいくつか理由があるのですが、一番の理由は前述のように「翻訳者の性格や特性によってアプローチが異なる」という点です。
私自身の経験からそう思いますし、子どものための学習方法を研究してさらにそういう思いを強くしました。
かつて私は、周囲にいる「すごい人たち」のまねをしようとして努力を続けておりましたが、最近はそういうことをするのをやめました。
自分が「すごい人たち」とは違う特性を持った個人であるとようやく理解できまして、自分にあっていない方法に取り組むという無駄な努力をやめました。
結果、できない自分を責めることもなくなりましたし、過度に自己嫌悪になることもなくなりました。そして、私にとってよい学習方法を子どもに押しつけることもやめました。本人にとってのやりやすい方法があると気付いたからです。
そのような背景がありまして、今回のセミナーでは、単にツールの紹介だけではなく、自分がなぜこのアプローチをしているのかを紹介します。
他の方にとっては別のツールが向いている可能性があることを理解しておりますので、他のツールを選ぶときのヒントも持ち帰っていただけたらと思います。
セミナーで紹介するツール
- 自身で開発したWordアドイン:ぱらぱら、山猫の手、色deチェックなど
- KWIC Finder:過去案件のデータベースです。
- PhraseExpress:文字入力、メモの表示に使います。
- KeySwap:キーボードの配置変更に使います。
- Adobe Acrobat:OCR機能と文字列比較・レイアウト比較に使います。
- iPhoneの音読機能:文書の校正のため内容確認に使います。
- OneNote:チェックリストの作成に使います。データのまとめに使います。
- Evernote:データ保存に使います。タグ管理をしていません。かなり適当な管理です。