訳文の自動修正例(全分野共通)

通常のニューラル機械翻訳(Google翻訳DeepL)と比較して、GreenTの出力がどの程度違うのか例を紹介します。

GreenTで標準で用意している上記の2つのエンジンは、いわゆる汎用エンジンと呼ばれるものです。つまり、分野を問わずにトレーニングされたエンジンです。

そのため、出力される訳文の表記の揺れが生じます。

GreenTにはそのような表記の揺れや誤訳を自動的に修正する機能を設けました。その結果、通常のニューラル機械翻訳(Google翻訳、DeepL)では修正が生じる場合でも、GreenTでは修正が必要なくなります。

私は以前から「2秒×1000回=30分」というコンセプトで翻訳作業の自動化を提案してきました。機械翻訳を利用するときも、小さな修正作業(=2秒の作業)であってもできるかぎり自動修正し、翻訳者はもっと重要な作業に力と時間を割くべきだと思っています。

(参考:2秒×1000回=30分

この記事では、このようなちいさな繰り返しの修正作業をGreenTがどのようにとらえて修正をしているのか、という例を紹介します。

目次

日付の自動修正

原文

弊社は令和2年8月25日までに200億円を指定された銀行口座に振り込む予定である。

以下、2020年5月30日現在のGoogle翻訳とDeepLの出力結果です。いずれの場合にも令和2年を誤訳しています。

Google翻訳(Web無料版)

We plan to transfer 20 billion yen to the designated bank account by August 25, 2019.

DeepL(Web無料版)

We plan to transfer 20 billion yen to the designated bank account by August 25, 2nd year of the Decree.

以下、GreenTで日付形式の指定をした場合の出力結果です。日付はいずれの場合にも誤訳なく出力できています。

(参考:翻訳対象に応じた設定方法

GreenT[T1]タブ(日付機能:米国表記)

We plan to transfer 20 billion yen to the designated bank account by August 25, 2020.

GreenT[DeepL]タブ(日付機能:米国表記)

The Company plans to transfer 20 billion yen to the designated bank account by August 25, 2020.

頭字語の自動修正

日英翻訳における頭字語の扱いはクライアントの要望により変わります。そのような場合に、わざわざ書き直さなくてもよいように自動修正をしています。

つまり、和文中のROM(Read Only Memory)を、ROM (Read Only Memory) とそのまま訳すのか、Read Only Memory (ROM) と順序を変えて訳すのか、ということです。

原文

CPU23は、ROM(Read Only Memory)26、RAM(Random Access Memory)27、タッチパネル16と接続されている。

何れの出力文も記載順を変えずに出力しています。両者の違いは冠詞だけで大きな違いはありません。

Google翻訳(Web無料版)

The CPU 23 is connected to a ROM (Read Only Memory) 26, a RAM (Random Access Memory) 27, and a touch panel 16.

DeepL(Web無料版)

The CPU 23 is connected to ROM (Read Only Memory) 26, RAM (Random Access Memory) 27, and the touch panel 16.

 

さて、GreenTでは好みの表現に指定できます。

GreenT[T1]タブ(頭字語:順序を変えて小文字へ)

The CPU 23 is connected to a read only memory (ROM) 26, a random access memory (RAM) 27, and a touch panel 16.

GreenT[DeepL]タブ(頭字語:順序を変えて先頭大文字へ)

The CPU 23 is connected to the Read Only Memory (ROM) 26, the Random Access Memory (RAM) 27, and the touch panel 16.

※DeepLはウェブ版ではROMやRAMに冠詞がありませんでしたが、GreenT用のDeepL Proでは下線部のように定冠詞が挿入されました。

元も形式を保持もできます。

GreenT[T1]タブ(頭字語:頭字語を先頭にする)

The CPU 23 is connected to a ROM (Read Only Memory) 26, a RAM (Random Access Memory) 27, and the touch panel 16.

不定冠詞の自動修正

不定冠詞を自動修正します。

原文:LCD(Liquid Crystal Display) 和文中の表現です。

訳文:a Liquid Crystal Display (LCD)

訳文:a liquid crystal display (LCD)

訳文:an LCD (Liquid Crystal Display)

複数形のへの対応

訳文:Liquid Crystal Displays (LCDs)

訳文:liquid crystal displays (LCDs)

訳文:LCDs (Liquid Crystal Displays)

英日翻訳での文末表現

原文

Portable media players, also referred to as MP3 players, are also popular today.

いずれも敬体で出力されました。

Google翻訳(Web無料版)

MP3プレーヤーとも呼ばれるポータブルメディアプレーヤーも今日人気があります

DeepL(Web無料版)

MP3プレーヤーとも呼ばれるポータブルメディアプレーヤーも今日では人気があります

書類によっては常体で表記したい場合があります。このようなときにGreenTの設定で自動修正できます。

GreenT[T1]タブ(常体)

MP3プレーヤーとも呼ばれるポータブルメディアプレーヤーも今日人気がある

GreenT[DeepL]タブ(常体)

MP3プレーヤーとも呼ばれるポータブルメディアプレーヤーも今日では人気がある

まとめ

このような自動修正機能を活用して修正の手間を減らしてみてください。

関連ページ

2020年5月30日