プリエディットの例(英日特許翻訳)

GreenTのプリエディット機能を適切に利用すると出力する訳文が変わります。効果的なプリエディットについては、ユーザー定義ファイルに登録をしておけば次回以降はクリック操作だけで使えるようになります。特許明細書の英日翻訳を例に説明します。

プリエディットなし

例文

The mixture is allowed to warm to room temperature overnight, 5.2 ml of water, 5.2 ml of methyl tert-butyl ether and 3 ml of conc. HCl are subsequently added.

Google翻訳(2020年5月23日)

混合物を一晩室温に温め、水5.2ml、メチルtert-ブチルエーテル5.2mlおよび濃塩酸3mlを加える。続いてHClを加える。

解説

原文のconc. のピリオドが文末のピリオドと誤認識され文が区切られてしまっているようです。これはもちろん、concentratedの省略語です。現在の機械翻訳ではこのように省略語を正確に訳せない場合があります。

プリエディット例

指摘した個所を修正しました。このように原文を修正することをプリエディットといいます。

原文(プリエディット前) 原文(プリエディット後)
The mixture is allowed to warm to room temperature overnight, 5.2 ml of water, 5.2 ml of methyl tert-butyl ether and 3 ml of conc. HCl are subsequently added. The mixture is allowed to warm to room temperature overnight, 5.2 ml of water, 5.2 ml of methyl tert-butyl ether and 3 ml of concentrated HCl are subsequently added.

では、このプリエディット後の原文を使ってGoogle翻訳をしてみましょう。

原文

The mixture is allowed to warm to room temperature overnight, 5.2 ml of water, 5.2 ml of methyl tert-butyl ether and 3 ml of concentrated HCl are subsequently added.

Google翻訳(2020年5月23日)

混合物を一晩室温に温め、5.2mlの水、5.2mlのメチルtert-ブチルエーテルおよび3mlの濃HClを続いて加える。

解説

2文に分割されることなく、原文の構文を正確に反映した訳文が出力されました。私は、機械翻訳を使用する際には、できるだけ修正が少ない構文で出力された訳文であれば効率的に活用できると思っています。

(参考:機械翻訳の出力文を効果的に活用するとは?

このほうが修正しやすいし、訳文の間違いを探しやすいですよね。concentrated HCl濃HClと訳されて不自然なので、濃塩酸に修正したいところです。

まとめ

このように、英文の省略語を元の表記に変えるだけで出力される訳文が変わります。原文の構造により出力される訳文が異なりますので、出力結果を予想をしながらいろいろ実験をして比較してみてください。

GreenTでプリエディットを自動化する方法

翻訳者のためのニューラル機械翻訳支援ツール「GreenT」では、このような作業を自動化します。ツール上で修正箇所を指摘し修正候補を提案します。

[適用]ボタンをクリックすれば修正されます。

ぜひお試しください。

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