以下の記事で、特許明細書の対訳表の作成方法について説明しました。
このオプション設定の応用技として、1つの明細書に出願国が複数あり複数のクレームセットが記載されている場合に対訳表を作成する方法を紹介します。
考え方
たとえば、米国と欧州と中国に出願する場合を考えてみましょう。
実務では、明細書の後にクレーム(請求項)を書く際、米国用、欧州用、中国用のクレームをそれぞれ順番に書くと思います。
【明細書】(共通) 【請求項】(米国用) What is claimed is: 1. 2. 3. 【請求項】(欧州用) Claims 1. 2. 3. 【請求項】(中国用) Claims 1. 2. 3.
この場合、デフォルトの設定では複数のクレームが書かれていたとしても、一番最初に記載されている米国用のクレームのみが書き出されてしまいます。
そこで、「特許明細書から対訳表を作成する際の、段落番号の対応ルール(オプション設定)」で紹介した方法で、記載順にすべて書き出す方法に切り替えます。
明細書の準備
原文
クレームの個所に、3種類のクレームセットを列挙します。
訳文
クレームの個所に、3種類のクレームセットを列挙します。
対訳表
クレームが重複していることが示されています。
対訳表が作成されました。マーカーとして追記した (米国用)(US) などの文字列がクレームの最後に表示されています。
このようにすれば、複数の国のクレームをまとめて対訳表でチェックできます。
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