ワイルドカードを使った検索では、特殊な記号を用いて実際の文字列を検索します。
例えば、前回の記事「【Word】セクション区切りを検索する」で紹介したような特殊文字を用いることもできますし、数字を指定する場合には、 0-9 のような記載を用いることもできます。
今回の記事では、ワイルドカードの特殊文字ではなく、範囲を伴う文字の指定方法を紹介します。
<目次>
できること
半角数字を探す場合に、[0-9]と指定します。
半角アルファベットを探す場合には、[a-zA-Z] と指定します。または、[A-Za-z] と指定します。
これは、なんとなくわかるのですが、なぜ、[a-Z] や、[A-z] ではいけないのでしょうか。
これが理解できます。
ワイルドカードの検索式の設定方法
1.「検索と置換」ダイアログボックスにて、[オプション] ボタンをクリックして、[ワイルドカードを使用する] のチェックボックスをオンにします。
これで、ワイルドカードを使う準備ができました。
2.[検索する文字列] 欄にワイルドカードを入力します。
今回は連続する範囲を指定して、その任意の1文字を入力する例を紹介します。
その場合、半角の角括弧 [ と ] で範囲を囲みます。半角の括弧ですよ。全角ではありません。
このように半角の角括弧で囲むと、その中の1文字を選択できます。
さらに、順番になっている文字の場合(例えば、0, 1, 2, ...., 9)、半角ハイフンで先頭と末尾の文字をつないで指定します。
例えば、任意の1文字の半角数字であれば、[0-9] と記載します。
任意の小文字の半角アルファベットであれば、[a-z] と記載します。
開始する文字から終了する文字に向かって順番に指定すればいいのですね。
[a-d] とすると、a, b, c, d のいずれか1文字を検索できます。半角のアルファベットの検索式は?
例として、半角のアルファベット(大文字と小文字)を指定する場合を紹介します。
答えは、[A-Za-z] または、[a-zA-Z] です。
合わせ技です。
半角の大文字のアルファベットは、[A-Z] です。
半角の小文字のアルファベットは、[a-z] です。
これを合体させます。
[A-Za-z]ですね。または、
[a-zA-Z]ですね。どちらでもかまいません。
なぜ、[a-Z] でもないし、[A-z] でもないのでしょうか?
指定する順番にはルールがあるのです。
指定する順番とは?
どのようにこの括弧内の順番を調べたらいいのでしょうか?
これは、[記号と特殊文字] ダイアログボックスで調べます。
まずは、このダイアログボックスの表示方法をWord 2003とWord 2010の場合で紹介します。
Word 2003
挿入>記号と特殊文字
Word 2010
[挿入] タブ> [記号と特殊文字] ボタン > [その他の記号]
ダイアログが開きます。
上図のように、右下のコード体系を Unicode (16進) に設定してください。
ワイルドカードで記載する順序というのは、このダイアログボックスに表示されている文字の順序(左上から始まり、右下に向かいます)のことです。
下の図で、アルファベットの並びをご確認ください。
半角の大文字のアルファベットは、[A-Z] です。
半角の小文字のアルファベットは、[a-z] です。
A-z と指定すると、検索自体は実行できますが、途中にある [ や \ などアルファベットではない文字列(上図では、赤い枠と青い枠の間にある文字列)も検索対象に含まれてしまいますね。
逆に a-Z は連続していませんよね。青い枠の先頭に小文字の a があり、赤い枠の末尾に大文字の Z があります。
この場合、以下のような警告メッセージが表示されてしまいます。
そんなわけで、半角のアルファベットを探す場合には、大文字、小文字でそれぞれ範囲をしていしてくっつけます。
[A-Za-z] または、[a-zA-Z] とするのでした。応用技
「漢字」、「カタカナ」、「ひらがな」を探す場合や、①~㊿(○の中に50と書かれています)を探す場合などの検索式を考えるときに上記の方法を使います。
【Word】「ひらがな」や「カタカナ」をワイルドカードで検索する